会津美里町には会津高田・会津本郷・新鶴の3つの地域があり、それぞれに異なる歴史、文化、風土があります。でも、それらの資源や魅力が町外や県外の人たちには十分に伝わっていないように思います。

平成28年2月に会津美里町が作成した「観光振興計画」によると、「県外からの来訪者は近隣町村と比較すると少なく、そのほとんどが短時間の日帰り観光であるため、交流人口の増加にもつながっていない状況」です。

会津美里町の魅力をたくさんの人に知ってもらい、まちを訪れ、めぐり、より長く滞在してもらうことを目的に、旅メディア『ほのぼの旅する会津美里』を2020年3月末にオープンします。町の中の観光地、観光資源だけでなく、地域の風土や文化に由来する魅力的な「ヒト」・「モノ」・「コト」を体験してもらうことで、会津美里町のファンを増やしていきたいですね。

“見る観光から、五感で体験する観光”へ

JTB総合研究所の主席研究員である中根裕さんが雑誌『週刊トラベルジャーナル』(2008年9月1日号)にて記すところによると、「近年、旅の目的やテーマが“見る観光から、五感で体験する観光”へと変化している」のだそう。グリーンツーリズムやエコツーリズムにおけるコミュニケーションにしても、配布されたパンフレットとガイドの説明から見聞きするだけでは物足りない。地元ならではの文化や風土、食に触れたい、というニーズが大きいと言います。

経済産業省の「体験交流サービスビジネス化研究会」(平成19年度サービス産業生産性向上支援調査事業)が実施したアンケートによると、訪日外国人観光客のうち、一年間の「体験観光」経験者は30%、未経験者は70%で、今後の参加希望については、経験者の94%、未経験者の76%が「体験観光」をしてみたい、と回答。地元ならではの文化や風土、食に触れたい、というニーズが大きいとともに、一度その体験した人たちは、さらにもっと体験型の観光・旅行をしたいと望んでいることが分かります。

体験コンテンツ内容はというと、提供する地域の側から見ると観光には結びつかないと思うような「地元のならではの営み」が、訪れてみたい、触れてみたい、体験したい、と思われている。有名な観光地や観光資源ではないからこそ、惹きつけられる。さらに、それが新たな観光事業に結びつく、ということもあります。

2020年度は、旅行者が「五感で体験できる旅のおもてなし」をまちぐるみで始めたいと思っています。それが、「まちやど」という取組みです。

主役はまちの皆さんです

「まちやど」は、宿(宿泊施設)を指すわけではありません。「まち」をひとつの宿と見立て、宿泊施設と地域の日常をネットワークさせ、まちぐるみで訪れる人々をもてなすことで地域の価値を高め、地域内経済の循環を目指す事業です。

出典:日本まちやど協会HP

そして、日常と観光を両立させる「まちやどプロジェクト」の主役は、ほかでもない、まちの皆さんです。「地域の何気ない日常の豊かさ」を味わう本物の体験をしてもらうための取り組みが、まちの中に新たな活躍の場や事業の機会にも繋がっていきます。

そんな「まちやど」プロジェクトに、一緒に取り組んでいきましょう。新型コロナウイルス感染拡大防止のために開催を見送った「まちやどとグリーンクラフトツーリズムシンポジウム」は、今後の動向を見て延期開催したいと思いますので、その際にはぜひご参加ください。

 

文:ワークヴィジョンズ 田村柚香里