会津美里町情報発信人材育成の取り組みとして、「まちの発信をする人を増やす」ことを目指して開催するプロジェクト『会津美里町 まちの編集室』。

第4回ワークショップでは、新しい情報収集の形についてをtarakusa株式会社の柿原が紹介。Instagramを活用して会津美里町を魅力的に発信している地域おこし協力隊である長谷川竜也さん・祥子さんご夫妻にも登壇していただき、無理をせず発信を続けるコツについて伺いました。

気になる情報はSNSでチェック

 

その土地の魅力がぎゅっと集約されたガイドブックや雑誌、テレビ番組。もしいまから旅先の情報を集めようと思ったら、どんなメディアをチェックしますか?

「都心で働いている」「旅好き」「ローカルの文化に関心がある」という30代前半の女性40名を対象に柿原が行なったアンケート調査の結果によると、ほとんどの方が「まずはSNSをチェックする」と答えたのだとか。

「情報を求める現代の消費者たちは、SNS上にある未編集の情報から自ら情報を選択し、良質で自分向きであると感じるものを直感で捉えて、自身で編集しながら取り込んでいるんです。テレビを見たり、雑誌を読んだりしない。もはやググったりもしない。InstagramとFacebookをメインに活用して、自ら情報編集をして、情報消費を行っているという結果です」

信頼するのは大手メディアより個人のアウトプット

 

では、彼女たちはどのようにSNSを活用しているのでしょう?

「InstagramやFacebookは、気になるキーワードにハッシュタグを付けて検索すると、その情報を発信しているユーザーと出会う仕組みになっています。その投稿をみて、気になるワードを見つけたら、それからググる。そうやってスマホ上でリサーチを深めていくのです」

アンケート結果によると、対象者たちは決まった雑誌の毎月購読の習慣は薄く、特別気になる特集号を選んで買う程度なのだそう。TVや新聞からの情報取り込みの習慣はほとんどない代わりに、「フォロイー(自らが選んでフォローしている人)のアウトプットに注目している」と柿原は言います。

「たとえばこの層の場合、彼女たちが共通してフォローしているのは、タレントでもモデルでもない、自分より少し歳上の“意志のある暮らしと仕事をつくる人たち”。企業や媒体から発信される情報より、自分がフォローしている人のアウトプットに信頼を置いているんです」

移住者目線で切り取る

 

レクチャーの後は、地域おこし協力隊として1年前に会津美里町にやって来た長谷川夫妻と柿原がInstagramでの発信についてトーク。「猫とおばあちゃん」「寒い日の薪ストーブ」など、何気ないまちの日常を切り取り、温度のある言葉とともにInstagramで上手に発信しています。そんな彼らも、最初はどんなふうに発信すればいいのか悩むこともあったのだとか。

「Instagramは写真を共有するSNSなので、どこかで『綺麗な写真を撮らないと!』というプレッシャーを感じていました。ただ、私たちの役割はこのまちの魅力をより多くの方たちに届けること。移住者の目線だからこそ面白がれることがある。いいと思った瞬間にポンっとシャッターを押すくらいの気軽さでやっています」

投稿の頻度は、自分たちの負担にならない程度に1日1〜2回ほど。昼間にiphoneで撮影を行い、ひと息ついた夜に写真を加工して投稿することが多いそう。まちの編集室で使っている「#会津美里の日々」に加え、英語のハッシュタグ「#kawaii」「#japantrip」などを添えて発信すると、海外の人々からの反応が増えると言います。最近では、会津美里町出身で今はまちから離れて暮らしている方から「懐かしい風景をありがとう」という嬉しい知らせが届くことも。

自由に誰でも発信する時代だからこそ、個人の発信する体験やアウトプットに価値がある。ハッシュタグに言葉を添えるのも、写真を加工するのも、相手に情報を届けるためのひと工夫。さらに発信上手になるための新しいヒントを見つけました。

文:原山幸恵(tarakusa)