会津美里町情報発信人材育成の取り組みとして、「まちの発信をする人を増やす」ことを目指して開催するプロジェクト『会津美里町 まちの編集室』。

第2回のワークショップでは、フリーランス編集者の小西七重さんが登壇。日々全国各地を飛び回りながら取材を行い、書籍や雑誌、WEBを通して読者にその魅力を届ける小西さんがこれまで制作したメディアの事例をもとに、相手に想いを届ける効果的なテキストのつくり方や写真の選び方を紹介。参加者は実際にInstagramを使った発信に挑戦しました。

編集は、「いいな」と思ったことを追体験してもらうこと

 

「編集と聞くと、なんだか特別なスキルがなければできないと思ってしまう方も多いのですが、実はみなさんも無意識に編集をしているんです。家族や友人に今日あったことを話す時、面白いと思ったことだけを話しますよね。編集者は、『これって面白いよね!』と、会話以外の手段で伝える人なんです」

編集者の仕事は、さまざまな素材や原稿を集め、誌面をつくること。自分が面白いと思ったことをみんなに知ってもらうために、構成を決めて、分かりやすい言葉で的確に表現していきます。常に、「これって伝わるかな?」と自問自答。そんな小西さんがインタビューや原稿執筆時に心がけていることが、次の3つ。

①言葉をまっすぐに受け止めて、まっすぐに伝える
②自分の感覚を信じて、言葉を探す
③自分の“普通”を疑う

「人の経験から生まれてくる言葉は、考えて出す言葉より強くてグッとくるもの。『上手く書こう』ではなく、熱量のある言葉をストレートに届けるようにしています。『なんかいいな』って思う瞬間ってありますよね。誰かに伝える時は、その『なんか』に当てはまる言葉を根気よく探す。そして、誰にでも分かるように書くこと。自分が当たり前だと思っていることでも、丁寧に伝えることが大切です」

写真は分かりやすさとインパクトで選ぶ

 

もうひとつ、誌面を構成するうえで重要な要素が写真。視覚的にインパクトを与える写真は、どのような基準で選んでいるのでしょう?

「読者に『面白そう』と思ってもらえるよう、その場の雰囲気が伝わるカットや一番インパクトのあるカットを厳選しています。伝わりにくいものは泣く泣く割愛することもあります」

自分が撮影した写真が、より魅力的に的確に情報を伝えられているのかを判断する。それも良い発信のためには必要なこだわりです。

私が好きな会津美里町を発信する

 

レクチャーが終わったところで、さっそく実践へ。参加者さんが庭で収穫してきた「あけび」を使って、参加者みんなで撮影。

昔はおやつ代わりに食べられていたという「あけび」。蔓は伝統工芸のカゴ編みに使用され、地域の人にとって身近な存在の植物です。「果肉を口に含んで、種だけプップって飛ばして遊ぶんだよ〜」と教えてもらいました。

撮影した写真は、無料アプリで加工し、短いテキストとともに「#会津美里の日々」を付けてInstagramで発信。すると、『会津美里の日々』Webサイトに集約されて、自動的にメディア化される仕組みです。自分の書いた記事がまちの情報をして発信され、それが今の会津美里町の姿としてアーカイブされていきます。

「一つひとつは小さな点でも、集まればまちづくりの線になる」と小西さん。投稿者の「好き」が込められた発信は、見る人の心に必ず響く。誰もがマネしながら始められるヒントがたくさんありました。

文:原山幸恵(tarakusa)