会津美里町情報発信人材育成の取り組みとして、「発信をする人を増やす」ことを目的として開催しているプロジェクト『会津美里町 まちの編集室』。2017年度に続き、今年度も開催しています。

第2回のワークショップでは、フリーランス編集者の小西七重さんが登壇。日々全国各地を飛び回りながら取材を行い、書籍や雑誌、WEBを通して読者にその魅力を届ける小西さんがこれまで制作したメディアの事例をもとに、情報の効果的な見せ型を紹介。参加者のみなさんには、自分が担当するテーマに対してどのスタイルが有効なのかディスカッションしていただきました。

誌面ができるまで

 

編集者の仕事は、自分が担当するテーマについてリサーチや取材を行い、集めた素材を整理して、アウトプットすること。自分が面白いと思ったことをみんなに伝えるために最適な方法を考えます。そんな小西さんが素材集めの時に心掛けていることが、次の3つ。

・テーマにまつわるあらゆる情報を調べる
・テーマの周りで紐づくものがないか(人、もの、場所、歴史)調べる
・リサーチした情報を広げてみて、自分が「面白い」と思う部分に確信を得る

「素材集めは、『なぜ自分はこのテーマに惹かれたのか?』という根拠を見つけるための作業。実際にリサーチをすることで、途中で面白いと思うポイントが変わるかもしれない。そうやって軌道修正をしながら、伝えたいメッセージを明確にしていきます」

魅力を届ける3パターン

 

素材が揃ったら、次は見せ型を考えます。小西さんに相手に魅力を届ける3つのパターンを教えてもらいました。

①人の魅力を伝える

「一番オーソドックスな手法は、人物写真とインタビュー記事を載せたパターン。誰もが知る有名人を取り上げる時に効果的な方法ですが、それ以外の人物だと顔写真を掲載しても読者の興味を引くフックにならない。そんな時は、伝えたい情報が相手に届くようにアレンジしましょう」

例えば、相手の話す言葉が面白いと思ったら、そこにフォーカスして文章だけ載せてみる。相手が歩んできた人生のストーリーが面白いと思ったら、人生ゲームをパロディにした誌面をつくってみる。「有名人でなくても、工夫次第で『なにこれ?』と興味を持つきっかけをつくることができる」と小西さんは言います。

②場所の魅力を伝える

「旅ものの誌面でよく見かけるのが、旅人(モデル)がそのスポットを巡る様子を紹介するパターン。これは読み手が自分を写真に投影して一緒に旅をしている気分を味わえるのが魅力ですが、少し新鮮さが欲しいなら、特定のジャンルに絞って情報の密度を上げるのもひとつ。もし会津美里でオススメのお店を紹介するなら、そのお店の『良いな』と思ったところを一番目立たせてあげると、会津美里ならではの魅力が伝わります」

③モノの魅力を伝える

「数を多く見せて圧倒させたいなら『コレクション系』、人気順に紹介するなら『ランキング系』、とことんかっこよく見せるなら『じっくり一点勝負系』、同じジャンルのものをグルーピングして見せるなら『カタログ系』、そして、毎日違うものを1点ずつ紹介するなら『観察系』など、素材によって見せ型を変えます」

モノを紹介する時にポイントとなるのが、写真の撮り方。類似のものをグルーピングしたり、同じ角度で撮影したり、背景を揃えて撮影したり。「背景に色紙を敷くだけで写真のクオリティがぐっと高まります」と小西さん。

どんなスタイルで伝える?

 

レクチャーが終わったところで、まずは参加者の皆さんに自分が持っている情報を棚卸ししてもらいます。

「お店を紹介するなら、そのお店の歴史を掘り下げても面白そうだね」
「思ったより情報が少ないから、もう少し広げてリサーチしてみようかな」
「やっぱり●●より●●のテーマの方にしようかなぁ」

小西さんが紹介した素材集めのポイントを参考に、テーマの周りで紐づくものがないか調べる皆さん。情報を整理した後は、どんなスタイルで伝えるのが良いのかチーム内でディスカッションしました。

誌面づくりで大事なのは、広い範囲でリサーチをして素材を集めてから、どの素材をどう活かすのか取捨選択すること。そして何より、伝えたいメッセージをしっかり心に刻むこと。そうすれば、「会津美里は●●があるから面白い」と迷わず相手に伝えることができます。

文:原山幸恵(tarakusa)